2007/03/17//Sat. 23:51
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久しぶりに新譜を何枚か買った。旧譜ばかり買っていても新鮮味に欠けるので、店頭などで耳に入ってきて気に入ったものは直ぐに入手するようにしている。実際に家で聴くのと店で聴いているのとは大違いで、家で聴いたら全然面白くなかったというケースは何度も経験しているので、ある程度の「外れ」を掴まされるのは覚悟しているのだが、今回は「大当たり」を引いてしまった。
1曲目が耳に入った途端にひきつけられた。芯が太くかつ包容力と迫力のある歌声。ねっとりとしたテンポでねっとりとしたギターが絡みつく。その後ろでは気付かない程度にヴァイヴも響いている。黒さとともに優しく包み込むようなヴォーカルと演奏。
いやいや、1曲目だけだろう、と他のCDを物色するふりをしながら次の曲を聴いた。や、やばい! これは本物かもしれない、と思い始めた。2曲目はアップ・テンポ、アレサ・フランクリンの「ロック・ステディ」を連想させるノリ、張りのあるソウルフルなヴォーカル。トドメを刺されたのはスライド・ギター(スティール・ギター?)のソロが食い込んでくる中間部。終盤は女性バックコーラスとともにリード・ヴォーカルがシャウトしまくる。これ、60年代のソウルそのものじゃないか。
3曲目は一転してバラード。このフォスターという人のヴォーカルは不思議だ。リスナーを張り倒すほどの迫力を出すかと思うとスロー・テンポでは母親のような優しさで包み込んでくれる。演奏も面白い。ヴァイヴとシンバルの演奏が幻想的な彩りを添えていて、まるで夢の中にいるような浮遊感がある。
4曲目はデルタ・ブルースの大御所、サン・ハウスのカバー。サン・ハウスほど泥臭くはないが黒さは満点。ハンド・クラップとフット・ストンプ、そして女性コーラスのみという構成で聴かせてくれる。これを聴いていてなぜかライ・クーダーが作った「クロスロード」のサントラを思い出したが、気のせいか?
数曲飛ばして8曲目はルーシー・フォスター自作。カントリー・ブルース風にアレンジされている。ここでもフォスターは素晴らしいソウルを感じさせてくれる。
"Phenomenal Woman" はタイトルからしてアレサ・フランクリンの「ナチュラル・ウーマン」を思わせたが曲調も何となく連想させるところがある。決してメロディが似ているわけではないんだが。ゆったりとしたテンポで、フォスターの歌唱力に圧倒されっぱなしの4分半。
"A Friend Like You" も名曲。これは編曲も歌詞の内容もゴスペルと言ってもいいだろう。だが不思議とゴスペル臭さ(宗教臭さ)がなく押し付けがましくもない。聴いているととても心が安らかになる。
この曲の作者は "Eric Bibb" となっていた。調べたところキャリアの長い人のようだ。で、最新アルバムのジャケットをみたらこれがまたグー。ジャケ買いしてもおかしくないだろう。試聴してみたら益々欲しくなってきたが、値段が高い......他でちょっと探してみよう。
最後は弦楽とギターをバックにフォスター自作の曲を歌い上げて締めくくっている。フォスターが途中で声を張り上げるときにそっと支えるように演奏されるチェロの音がとても気持ちがいい。ストリングが絡んでくるとわざとらしくなる傾向があるがこの曲はそんなことはない。上手く曲とマッチしていてラストにふさわしい仕上がりだ。
ルーシー・フォスターはこれがデビュー盤かと思いきや、彼女のホームページを見ると既に4枚出しているようだ。しかもデビュー作の横には "Out of Stock" の文字が......。
今回のアルバムでブレイクできるといいですな、フォスターさん。というか、アンタみたいに「並外れた」「驚くべき」("Phenomenal")才能と本物のソウルを持つ人こそ売れてくれなきゃ困るよ(笑)。
ちょっと気が早いけど、個人的には今年最大の大当たり盤だと思っている。大推薦盤!
1. Cuz I'm Here
(Anthony Farrell, Zak Littlefield and Andrew Trube)
2. Heal Yourself
(Ruthie Foster)
3. Fruits of my Labor
(Lucinda Williams)
4. People Grinnin' in Your Face
(Son House)
5. Up Above My Head (I Hear Music in the Air)
(Sister Rosetta Tharpe)
6. Harder Than the Fall
(Ruthie Foster)
7. Beaver Creek Blues
(Ruthie Foster and Cyd Cassone)
8. Mama Said
(Ruthie Foster)
9. Phenomenal Woman
(words by Dr.Maya Angelou; music by Amy Sky and David Pickell)
10. A Friend Like You
(Eric Bibb)
11. I Don't Know What to do With My Heart
(Ruthie Foster)
====================================
Ruthie Foster :
vocals, Wurlitzer electric piano, guitar, piano, handclaps and footstomps
Malcolm "Papa Mali" Welbourne :
guitars, background vocals, handclaps and footstomps
George Sluppick :
drusms and percussion
Glenn Fukunaga :
bass
Anthony Farrell :
Wurlitzer electric piano and Hammond B3 organ
Mike Dillon :
vibes and congas
Dale Spalding :
harmonica
Gurf Morlix :
lap steel guitar on "A Friend Like You"
Tosca String Quartet :
strings (arranged by James Lamb)
Ned Stewart :
frog, gator and insect wrangling on "Beaver Creek Blues"
Produced by Malcolm "Papa Mali" Welbourne
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2005/10/20//Thu. 02:28
「ついにファンレターが来たか???」
と思ったのだが大きな勘違い(笑)。「ブログルポ」というランキングサイトを運営している会社の方だった。
このサイトのランキング形式は、ブログへの訪問数やクリック数ではなく訪問者の評価によってブログの評価が決まる、というもの。詳しくはサイトと運営者ブログを参照していただきたいが、ありそうでなかった面白いランキング形式なので登録してみた。
今のところ記事数が10までしか登録できない点(ある仕組みで増えるらしい)や、登録者本人が評価できてしまう点などが難点だが、まだ始まったばかり(現在プレオープン中)なので順次改善されてゆくだろう。興味のある方は参加してみては如何?
「My Groove Your Move」では、この記事と前回の10月16日の記事に「この記事に点数をつける」というリンクを貼っておいた。クリックすると評価ページにジャンプするので、5段階のうちから選んで評価ボタンを押すだけ。簡単でしょ? 是非ともお試しあれ。
で、今日のBGMは…
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久々のスティーヴィー・ワンダーの全曲オリジナル・アルバム。ラジオで "From The Bottom Of My Heart" と "Shelter In The Rain" がかかっているのを聴いて「これはすぐに買わなくては」と思った。単純なラブ・ソングを書くのがソング・ライターにとって一番難しいと思うのだが、スティーヴィーは今でもそういう曲がかけるんだな、と感動したのだ。しかも2曲も。
いいのはバラード系だけではない。プリンスがギターを弾いている "So What The Fuss" はねっとりとしたナイス・ファンク。確か最初のビデオ・クリップはこれだったはずだ。2,3ヶ月前に見た記憶がある。プリンスのギターとシンセ・ベース音がマッチしていて抜群のノリを聴かせる。このギターが最高に格好いい! "Please Don't Hurt My Baby" はゴー・ゴー風リズムで迫ってくる。ゴー・ゴーなんて聴いたのは何年ぶりだろう? 踊りたくなってしまうではないか!
まだ聴いている途中なのだが、全体的にはしっとりと落ち着いた手触りで良質の曲を聴かせてくれる。シンセサイザーによる打ち込み中心なのに温かみがあるというのはこの人にしか出来ないだろう。10年間、たっぷりと時間をかけて熟成させたウィスキーを飲むといった感じ。
このアルバムは大傑作になる予感がする。どうせラジオでヘビー・ローテーションでかかるだろうが、それでも魅力は失わないのではないだろうか。早速iPod-Shuffleに詰め込んで聴き込んでみよう。
1. If Your Love Cannot Be Moved feat. Kim Burrell
2. Sweetest Somebody I Know
3. Moon Blue
4. From The Bottom of My Heart
5. Please Don't Hurt My Baby
6. How Will I Know feat. Aisha Morris
7. My Love Is On Fire
8. Passionate Raindrops
9. Tell Your Heart I Love You
10. True Love
11. Shelter In The Rain
12. So What The Fuss
13. Can't Imagine Love Without You
14. Positivity
15. A Time To Love feat. India Arie
Produced By Stevie Wonder
http://www.steviewonder.net/
http://www.motown.com/
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