My Groove Your Move

〜偏愛的ディスクレビュー Ver.2〜


ジャズ、クラシック、ロック、ソウル、R&B。 ジャンルや新旧にとらわれず、おすすめ盤を紹介します。
2007/08/05//Sun. 01:28
FeelFeel
Jesse Harris

Velour 2007-07-10
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 レコード屋の店頭でかかっていて気になったら実物のCD(或いはレコード)を見せてもらうことにしている。売り物であれば買うし、そうでなければ仕方ない、タイトルとアーティスト名を覚えるまでだ。

 今回は店員に訊こうかどうしようかとても迷った。どう考えても歌は下手だし「コイツ絶対にやる気ゼロだよ」と思わせる歌いっぷり。演奏はといえばアコースティック系で随所に泥臭さを散りばめている。「あんまり歌が下手でもなぁ」と戸惑っているうちに閉店時間になってしまった。

 仕方無しに「今かかっているの、誰ですか?」とたずねたら「ジェシー・ハリスです。ご案内します」との返答。「え?ハリスってこんな声と歌い方してたっけ?」と思ったが俺がハリスを聴いたのはたった一枚、しかもどのアルバムかも忘れてしまった。「つまらねぇな」とすぐに売り払ってしまったのかもしれない。

 とにかく以前買ったアルバムはどこにあるのかわからない。だから彼の音楽的変化について御託を並べる資格などないのだが、全く異なる印象を今回は受けた。

 とにかく脱力系なのだ。聴いていると全身の力が抜けてきていい意味で「ヤル気」が殺ぎ落とされる。別にそんなに気張らなくても少しずつやってけばいいじゃん、みたいな。そんな脱力系の音の流れが今の俺にはぴったりなんだな、これが。

 で、不思議なことに彼の他のアルバムを聴いてみたいという気がしない。他のを聴く位だったらこの「フィール」をもう一度聴きたいと感じさせる。

 際だった名曲というのはないような気がする。どちらかといえば全体の流れで聴かせるアルバムだ。聴くたびに心地よさが増してくるアルバムである。

 なお日本盤は「ジェシー自らが日本のために特別編集されたもので、3曲多く収録され、曲順が異なる」のだそうだ。どちらを買うかは読者諸氏の判断に委ねるしなかい。

(※上掲のジャケットのリンク先と下記曲目は輸入盤のものです。)
1. Feel
2. I Don't Mind
3. You and Me
4. Walk On
5. Wind
6. How Could It Take So Long?
7. Where to Start
8. Luxembourg
9. Shadow
10. I Would
11. It Washed Away
12. After All
13. If I Had No Name
14. Fire on the Ocean

アマゾンの商品詳細ページで試聴できます。
ジェシー・ハリス公式サイトでも試聴できます。
というか、アルバム全部聴けるような気がします(笑)。

2007/04/07//Sat. 01:49
ファースト・アルバムファースト・アルバム
ロジャー・モリス

ミュージックシーン 2005-08-25
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 以前falsoさんに教えてもらったロジャー・モリスのファースト・アルバム。ネット上で調べたところどうやらザ・バンドにかなり影響された人だということがわかってずっと頭の隅で気にかけていたのだが、ちょっと値段が高めで買うのをためらっていたところ、運良くレンタル屋に置いてあったので借りてきた。

 1曲目の "Taken For Granted" を聴いた途端笑ってしまった。これ、ザ・バンドそのまんまじゃないか(笑)。ドラムのオカズの入れ方なんてリヴォン・ヘルムそっくりだし、アコーディオンが入っているところはガース・ハドソンを念頭に入れていたためだろう。ギターも心なしかロビー・ロバートソンに似ている気がする。3曲目で管楽器とホンキー・トンク風のピアノが入ってくるところなどは「ラグ・ママ・ラグ」を彷彿とさせる。

 ロジャー・モリスのヴォーカルはリヴォン・ヘルムをちょっと頼りなくした感じでそこがとても魅力的だ。どちらが歌がうまいかといへばやっぱりリヴォンだけれども、ロジャー・モリスは妙な「へたうま」感があるのだ。何と言うのだろう、ザ・バンドでは2曲しかリード・ヴォーカルを取らなかったロビー・ロバートソンの歌の下手さ加減と、ムチャクチャしっかりしたヴォーカルのリヴォンの南部臭さと、リチャード・マニュエルの哀愁感を足して割った感じ、と言えばわかってもらえるだろうか(何のこっちゃ)。

 ていうか、こんな表現じゃザ・バンドのファンにしかワカランじゃないか。そんな人にはザ・バンドのベスト盤のなかでも群を抜いて素晴らしい構成のこのアルバムをお薦めします。

To Kingdom ComeTo Kingdom Come
The Band

Capitol 1989-09-18
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 本題に戻ろう。この「ファースト・アルバム」、いやぁ、いいです。とてもいいです。日本盤のCDの帯でも比較されているアーニー・グレアムのアルバムには何曲かアイルランド風の曲があって、「ああ、やっぱりそっちの人なんだなぁ」と思わせるところがあったが、モリスはとてもイギリスのシンガー・ソング・ライターとは思えないほど英国臭がない。きっと言われなければわからないだろう。で、ザ・バンドとも聴き比べしてみたのだが、ザ・バンドにはない軽やかな香りがある。土臭いんだけれども泥臭くない、という感じ(やっぱり、何のこっちゃ)。

 素晴らしいアルバムを教えて頂いたfalsoさんに感謝!
2007/04/07//Sat. 01:39
アーニー・グレアムアーニー・グレアム
アーニー・グレアム

ミュージックシーン 2005-02-25
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 持っているはずなのに肝心の音楽の内容をすっかり忘れていた。ウニオンでかかっていたとき、鼻が少しつまったディランが歌っているように聞こえて「これなんていうCDですか?」と尋ねたところもって来たのがこのErnie Grahamだった(「アーニー・グレアム」と読む。「グラハム」ではないので注意)。5年ほど前に初めてCD化され、最近になって再発されたのは知っていたけど、改めて聴いたことはなかったな。

 1.がそのディランのような声で歌われている曲。バックの演奏はドラムが入っておらず、アコースティック・ギターのストロークが延々と続く。声が鼻にかかっていてくぐもっているので嫌いな人は嫌いかもしれないが、個人的には全く気にならない。非常に牧歌的でみずみずしい演奏のせいか。Van Morrison の"Astral Weeks"を連想させる演奏だ。

 その他の大半の曲(2.4.5.7.)はザ・バンドそのままだ。どれも"The Basement Tapes"や初期のアルバムに入っていてもおかしくない。あるいはディランの"The Man In Me"をいろんなバリエーションでやっている、といった方が近いかもしれない。2."So Lonely"といった曲でさえこちらを楽しくさせる。

 3.及び6.は少し暗めの曲。あるサイトでは「湿った感触のアルバム」と形容していたが、おそらくこれらの曲を聴いてのことだろう。他の曲は決してそんなことはない。

 8.はフィドルがと歌い方がアイルランド風。もともとこの人はVan Morrisonと同じくベルファスト出身らしいがアルバム中では唯一出身地を連想させる曲となっている。タイトルからして"Belfast"なので当たり前といってしまえばそれまでだが。

 9.は生前最後のシングルのA面で再発盤でのボーナス・トラック。Bruce Springsteenを髣髴とさせる生きのいいロックンロール・チューンとなっているがこのアルバムの中では浮いてしまっている。決して悪い出来ではないのだが。

 10.はそのB面(これも今回のボーナス・トラック)。ちゃんとザ・バンドや"The Man In Me"の雰囲気にもどっている。要するにA面ではセールスを狙い、B面では好きなサウンドやってみた、という訳か。出来は上々である。不要なボーナス・トラックを入れるCDが多い中、これは聞く価値のあるトラックだ。

 初CD化の際には音が曇っていたが、今回の再発では音質が数段向上している。ボーナス・トラックも入っているので、買うなら再発盤だ。ザ・バンド並びにウッドストック系の音が好みの方、ディランの"The Man In Me"がお好きな方、これは「買い」です!

1. Sebastian
2. So Lonely
3. Sea Fever
4. Girl That Turned the Lever
5. For a Little While
6. Blues to Snowy
7. Don't Want Me Round You
8. Belfast
------- Bonus Tracks --------
9. Romeo and the Lonely Girl
10. Only Time Will Tell

(旧ブログより転載 記:2005年4月10日)
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    rollins1581

    Author:rollins1581
    通称: 「R」 または 「アール」

     好きな音楽を聴いているうちに様々なジャンルを聴いていることに気づきました。最近はジャズが中心ですが、かなり節操ありません(笑)。どちらかというと最近の音楽よりも昔の音楽が好みです(80年代以前)。HNはソニー・ロリンズの「ヴィレッジ・ヴァンガードの夜」からとりました。

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