2005/08/06//Sat. 21:38
しかし、ブルーノートらしくないジャケットが逆に興味を沸き立たせて気になって仕方がなかった。東芝EMIがブルーノート決定盤1500をやっているのを機に買ってみた。で、これが、いいんだなぁ。
トランペット、アルト、テナーの3管によるテーマとブリッジの演奏を爽快に決めた後にモブレーが「のほほん」としたソロを取る "Fit For A Hanker"、バードとジェンキンスが吹きまくりティモンズが飛び跳ねる "Hi Groove, Low Feed-back" 、コール・ポーター作の"Easy To Love"、ソロの応報合戦 "Dance of The Infidels"。どれもメンバーのくっきりとした演奏がモブレーの柔らかな音を際立たせていて面白い。なにより、メンバー全員がノリにノッている。
ベスト・トラックは "Time After Time" だろう。バードが美しく力強いロング・トーンを聴かせてくれる。バードは激しく吹きまくるだけではなくバラード・プレイもうまかったんだね。
そしてモブレー。ティモンズの見事なバッキングに支えられ、どこまでも優しい音色で聴くものを包んでくれる。ジェンキンスの少しためらいがちの奇妙なソロを除けばかなりの名演だと思う。
フィリー・ジョー・ジョーンズは全体的に大人しいがしっかりとしたドラミングで安心して聴ける。全編で静かに響き渡るシンバル音が心地よい。
モブレーの自作曲は2曲(Tr.1, 2)と少ないが編曲が見事。作曲家・編曲家としてのモブレーを齧るにも格好の盤。また、テーマ→各人のソロ→テーマという、典型的なハード・バップのフォーマットが、いつの間にか言葉ではなく耳で理解できてしまうというオマケつき。1500円でこれだけ楽しめるというのはかなりお得な気がする。
1. Fit For A Hanker
2. Hi Groove, Low Feed-back
3. Easy To Love
4. Time After Time
5. Dance Of The Infidels
Donald Byrd (tp)
John Jenkins (as)
Hank Mobley (ts)
Bobby Timmons (p)
Wilbur Ware (b)
Philly Joe Jones (d)
Blue Note 1560
Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, NJ
April 21, 1957
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