2007/02/26//Mon. 02:59
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何を聴いても落ち着かないときというのがたまにある。そんなときは同じジャンルの中でグルグルと廻っているからいけないので、あまり聴かないアルバムを別ジャンルから「ひょいっ」と引っつかんでしまえばいいのだ。
それでも失敗するバターンもあるのだが、今回は正解だった。
クリス・スミザーの特徴を一言で現せといわれると戸惑ってしまう。彼の歌と演奏には色んな要素が混ざっていて簡単にジャンル分けが出来ないのだ。もちろん、ジャズでもクラシックでもないんだけれども(笑)。
無理に言い表すなら「ブルースを基調としたフォーク/カントリー系のシンガー・ソング・ライター」となるんだろう。それだけではない。弾き語るときのギターがムチャクチャ上手い。彼による教則ビデオも輸入版で出ていたはずだ。
デビュー・アルバムの「アイム・ア・ストレンジャー・トゥー」が71年、2枚目、ウッドストックで録音された名作「ドント・ドラッグ・イット・オン」が72年。
それ以降はライブ活動やマイナー・レーベルで何枚かアルバムを発売していたようだ。
そして70年代にお蔵入りしてしまったサード・アルバム「ハニー・サックル・ドッグ」が2004年に突如として発売。レーベル名は「オクラ・トーン」(Okra-Tone Records)。いや、シャレじゃないですって(笑)。これが素晴らしい出来で随分と繰り返し聴いたものだ。(今は別レーベルで出ているようです。)
最新アルバムの「リーヴ・ザ・ライツ・オン」も「突如として」発売された感がある。去年からしばらくは横目でちらちら見ていたけれども、廃盤になりそうだしちょうどXXファンで輸入盤セールをやっていたこともあり購入。だがしばらくはほったらかしにしておいた。
彼の基本路線は最新アルバムでも変わりはない。最初の数曲で「カントリーかブルー・グラス路線に変更したのかな?」と思ったのだが中盤にから終盤になると弾き語りが少しずつ多くなってくると共にブルース臭が濃くなってくる。
また、声が初期よりもザラついている。枯れてきたといった方がいいのかな。いい味を出している。
曲はオリジナルが大半を占めているが、数曲が古いブルース曲と他人のカバー曲。
で、「これは失敗しているだろう」と思ったのがディラン作の「ヴィジョンズ・オブ・ジョアンナ」。しかし見事に予想を裏切って素晴らしいカバーとなっている。一聴しただけでは「ヴィジョンズ・・・」だとは思えない編曲。
そういえばこの人、カバーが上手いんだよね。初期の3枚のアルバムではニール・ヤング、ランディー・ニューマン、ディラン、ストーンズ等の曲をカバーしていた。ニューマンが好きらしく、曲数が最も多い(3曲)。
今聴きながら書いているんだけれども、自分が何を欲していたかがわかった。泥臭くて懐かしくて少し寂しくて、それでも聴き終わるとほっとする、そんな音楽が聴きたかったんだな、と。
このクリス・スミザーの最新アルバムはそんなアルバムです。
1. Open Up
2. Leave the Light On
3. Shillin' for the Blues
4. Seems So Real
5. Origin of Species
6. Cold Trail Blues
7. Diplomacy
8. Father's Day
9. Visions of Johanna
10. Blues in the Bottle
11. John Hardy
12. John Hardy (Reprise)
Produced By David Goodrich
クリス・スミザー・ホームページ
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